東日本大震災で障害児らを支援した福島学院大副学長の内山登紀夫教授(児童精神学)と
被災した子どもの保護者を調査した同大の川島慶子・客員助教(発達心理)に、周囲の人たちがどんなことを気にかければいいか、話を聞いた。
――今回の災害でどんなことが懸念されますか。
内山 現地の詳しい情報は入っていませんが、特に発達障害のある子どもたちは環境の変化に適応しづらいことが多く、心配です。
東日本大震災の直後に避難所を回りました。児童精神科医や専門職が来ているとアナウンスしても、相談はありませんでした。
高齢者の血圧を測るうちに「孫が自閉症で両親と車にいる」「実は精神的不調を抱えていて」といった話がポロポロと出てきました。外見的に支援側から見えにくいことが多いのです。
川島 家族は「皆が大変だから」「我慢しなくては」と考え、言い出しにくかったようです。
当事者や家族にとって、避難所で自ら発達障害のことを伝えるのはハードルが高い。私の調査では、自ら伝えると答えた人は半数以下でした。「受付用紙の記入欄にあれば記入する」
「受付の人に質問されたら伝える」という回答が多かった。受付用紙に記入欄を設けるなどしてニーズを聞き出してほしいです。
――川島さんの調査では、発達障害がある子どもの保護者の26・2%が「避難所利用が難しく車内で過ごした」と答えています。
川島 車中泊の方が子どもが安心し、保護者も周囲が気にならず気持ちが楽だという声もありました。
初期の段階では車中泊は必ずしも悪い選択ではありません。
内山 福祉避難所でも、高齢者や医療的ケアが必要な人に遠慮して当事者や家族は居づらいようです。
内閣府の避難所運営マニュアルには発達障害者のことはほとんど想定されていない課題もあります。
内山 発達障害の子どもは刺激に過敏な場合が多い。大勢の人がいるところより、倉庫や体育館の演壇の下など狭い空間の方が落ち着く子もいる。
立ち入りを一律に禁止せず柔軟な対応を考えてもらえればと思います。生活リズムが変わると不安定になりがちなので、避難所での食事や就寝時間は事前に伝えておくと安心します。
川島 避難所では、食事や物資の配布時間はアナウンスで知らされることが多く「聞き逃すまい」と大人が殺気だってしまう。
掲示板などで知らせ、見通しを立てやすくすることも大事です。
――他に日常生活で気をつけることはありますか。
内山 壊れた家や津波の映像がテレビで繰り返し流れると、不安が高まりやすい。ちょっとしたトリガー(引き金)となって思い出し、不安定になります。
そうした情報から離れ、本人にとって安心安全な環境をいかに早く整えるか。好きな図鑑やYoutubeの映像、ゲームに触れる時間を保護者が与えるなど
なるべく日常に近づけるのが望ましいでしょう。東日本大震災の時は『広辞苑』を読んで落ち着く子もいました。周囲の大人は「こんな時に不謹慎な」と注意せず、見守ってほしいです。
続きは朝日新聞 2024/01/15
https://www.asahi.com/articles/ASS1D5KK6S1CUGTB00J.html
引用元: ・【能登地震】ゲームやYouTubeで日常を、仮設住宅は端部屋に…被災した発達障害児への配慮は [おっさん友の会★]
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現実はこうだぞ?こんなものを待ちわびてるのか?
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