2023年「紅白歌手別の世帯視聴率ベスト10」を見ると、ある傾向が読み取れる(カッコ内は出場時の年齢)。
【2023年『紅白歌合戦』歌手別の世帯視聴率ベスト10】
1位:34.8% MISIA(45)
2位:34.3% ブラックビスケッツ(48、58、53)
3位:34.2% YOASOBI(29、23)
4位:34.1% Ado(21)
5位:33.6% 伊藤蘭(68)
6位:33.5% 藤井フミヤ(61)×有吉弘行(49)
7位:33.4% 寺尾聡(76)
8位:33.2% 石川さゆり(65)
9位:33.1% 福山雅治(54)
10位タイ:32.9% YOSHIKI(58)
10位タイ:32.9% ポケットビスケッツ(52、59、53)
10位タイ:32.9% 薬師丸ひろ子(59)
【※ランキングは2024年1月5日配信の日刊スポーツを参照。YOASOBIはAyase、ikura、ブラックビスケッツはビビアン・スー、南原清隆、天野ひろゆき、ポケットビスケッツは千秋、内村光良、ウド鈴木の順で年齢を表記】
全て2部の登場歌手であり、いずれも22時以降だった。歌唱順でいえば、伊藤蘭(紅組22組中17番目)以降になる。なぜ、この時間帯から“世帯視聴率”が上昇したのか。その要因の1つとして、五木ひろしや美川憲一、小林幸子などかつての紅白常連歌手が多数出演し、高齢者に人気の高い『年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系/7.6%)が22時に終わったからだと推測できる。
その直後、紅白が伊藤蘭の『キャンディーズ50周年 紅白SPメドレー』、薬師丸ひろ子『セーラー服と機関銃』、寺尾聡『ルビーの指環』という昭和のヒット曲を畳み掛けたため、世帯視聴率が上昇した面もあるのではないか。NHKは人口の多い50歳以上がチャンネルを合わせると考え、これらの曲を22時台に持ってきたのかもしれない。
テレ東で昭和歌謡を聞き終わった視聴者を取り込む作戦は功を奏した。以降も、主に平成初期のヒット曲が歌われ、世帯視聴率維持に役立ったようだ。ちなみに、上記18人の平均年齢は51.7歳。YOASOBI、Adoという20代の3人を除けば、57.2歳に跳ね上がる。
昭和や平成初期の曲を並べれば、“世帯”の数字は上がる
世帯視聴率ベスト10に入った歌手の歌唱曲をリリース年順に並べてみよう(複数曲を歌った場合、歌唱中の最高視聴率到達曲は基本的に1つだが、ここでは全て列挙する)。
【1970年代/4曲】
1975年 伊藤蘭『年下の男の子』、『ハートのエースが出てこない』
1976年 伊藤蘭『春一番』
1977年 石川さゆり『津軽海峡・冬景色』
【1980年代/3曲】
1981年 寺尾聡『ルビーの指環』、薬師丸ひろ子『セーラー服と機関銃』
1989年 YOSHIKI『ENDLESS RAIN』
【1990年代/6曲】
1993年 藤井フミヤ『TRUE LOVE』
1994年 YOSHIKI『Rusty Nail』
1995年 福山雅治『HELLO』
1996年 藤井フミヤ×有吉弘行『白い雲のように』、ブラックビスケッツ『YELLOW YELLOW HAPPY』
1998年 ポケットビスケッツ『Timing』
【2000年以降/6曲】
2018年 MISIA『アイノカタチ』
2023年 MISIA『愛をありがとう』『傷だらけの王者』、YOASOBI『アイドル』、Ado『唱』、福山雅治『想望』
20世紀の曲が13曲、21世紀の曲は6曲だった。NHKは“世帯視聴率”の狙い方を心得ている。昭和や平成初期の曲を並べれば、“世帯”の数字は上がるのだ。つまり、“史上最低”を免れたければ、“世帯だけ”に目を向けて、50歳以上の好む歌手ばかりを出演させればいい。しかし、そうすれば“国民的番組”の称号は外れる。今以上に若者のテレビ離れが進み、紅白の未来はなくなるだろう。だから、上辺だけの“世帯視聴率”だけを狙う作戦は取らなかったと考えられる。
今回の紅白には旧ジャニーズ事務所(現・スタートエンターテイメント)のグループが1組も出場しなかった。配信など視聴方法の多様化も年々進んでいる。世帯視聴率が下がると誰もが予想できる中でも、守りに入らず、前年比で1部は2.2%減の29.0%、2部は3.4%減の31.9%に留めたと評価することもできる。
NHK稲葉会長は、視聴率が「全てを表しているわけではない」と話した。より正確に言えば、“世帯視聴率が全てを表しているわけではない”のだ。昭和と比べて人口構造が変化し、趣味嗜好も多様化している。その中で、31.9%を獲った紅白はもっと称えられていい。そして、過去の“世帯視聴率”との比較で、“史上最低”と評価するのはやめるべき時に来ている。
■文/岡野誠
https://news.yahoo.co.jp/articles/34f8cb4dfc300ac67f5c8371bccae06b8be23174?page=1
引用元: ・紅白視聴率31.9%を“史上最低”と評価するのはやめたほうがいい 視聴率上位歌手・楽曲から見えてくる「NHKの作戦」[1/19] [昆虫図鑑★]
まあ岡野に言ってもしょうがないが
よっぽど減少してんじゃねぇの
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